1枚の絵が心に残っていた。23年前、留学先のジョクジャカルタの下宿に掛かっていた美しい風景画だ。そして、1冊の本が心に残っていた。インドネシア民族主義、女性運動の先駆者、わずか25歳にしてこの世を去ったカルティニの書簡集だ。もう一度、あの2つに立ち返って考えてみよう。──惜しまれながらこの世を去ったインドネシア研究の第一人者が、心に残る1枚の絵と1冊の本の思い出からインドネシア100年の民族意識のありようを書き下ろした画期的作品。インドネシア研究が文学に昇華した1冊として各方面から絶賛を博しました。
【目次】
風景の中へ
カルティニの生涯
カルティニの時代
風景の誕生
時代の風景
風景の行方
クロンチョン音楽の旅
「うるわしの東インド」旅
うるわしのインドネシア