母なるメコン、その豊かさを蝕む開発
リスベス・スルイター(写真・文)
メコン・ウォッチ、日本国際ボランティアセンター、中野亜里、高橋宏明、柿崎一郎訳
定価
2800円+税
A5判 /
272頁 /
99年初版
ISBN4-8396-0116-X
C0030
Y2800E
●書評●
メコン川流域の豊かな自然と人々の暮らしが、ダム建設、木材乱伐などの開発により徐々に蝕まれつつあります。
今、メコンでは何が起きているのか──。
バンコクに本拠を置くNGOのPER(生態回復プロジェクト)とTERRA(生態回復地域連合)の支援のもとに、オランダの女流写真家がメコン流域のラオス、タイ、カンボジア、ベトナムを長期にわたって取材。人智を超えた自然の豊かな恵みとそれを蚕食しつつある人間の愚かな営みを、296枚の写真と土地の人々へのインタビューで切り取ったのが本書です。
【目次】
●タイ
メコンのやつにしっかり栓をしろ/ハゲタカ農業/魚/セーンパー村/寺院と樹木/水があれば/希望の地/渡り鳥/イサーンの生活/河岸の光景/ムーン川の力/魚に仕掛けられた戦争
●ラオス
現実/さらなる現実/ナーカーイ高原/眠れる美女/メコンの町/失われゆく土地/シーブンフアン村/一歩一歩/ラオスの海/セーコーン川/ダイナマイト/人魚魚
●カンボジア
メコンの贈りもの/稲作に生きる人々/生命を守った魚網/穴だらけの大地/サトウヤシの川/クラントレア村の未亡人/プノンペン/カンボジアの心臓
●ベトナム
ブッシュ大統領の神/大地の酸と塩/葦平原/農民と木/コメ、道路、そして珍しい鳥たち/ピンク色の黄金/定説と多様性