マングローブ入門
−海に生える緑の森−

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中村武久、 中須賀常雄著
定価2000円+税
46判 / 248頁 / 98年初版/06年第4刷
ISBN4-8396-0117-8 C0045 Y1500E

マングローブは松や桜のように木の名前なのか? 「海辺に生える」この不思議な植物の姿が紹介される機会も増えましたが、実際にそれが何なのか、どうして注目されるのかを知る人は多くありません。
本書ではマングローブ研究の第一人者が生態や生い立ちといったマングローブの特徴を、図版を多用し丁寧に解説します。
また、マングローブ域に暮らす人々の生活や、日本人と関係あるエビ養殖の話などから、人間とマングローブの関わりを明らかにします。
「生物種の絶滅」や「砂漠化・温暖化」といった地球環境の話から実際の植林の方法まで、とにかく広い視点でマングローブを扱いました。
カラー写真と世界のマングローブ図鑑(約60頁)も付き、ビジュアル面も充実しています。

【目次】

第1章● マングローブ入門
マングローブは「海の森林」 「マングローブ」の言葉の意味/マングローブの生育場所/世界に分布するマングローブ/マングローブの生い立ち/マングローブは陸から海へ マングローブ植物「解体新書」 マングローブであることを示す特徴/マングローブは何種類か/マングローブの不可思議な根/胎生種子という繁殖体/マングローブの葉と塩類腺
第2章● マングローブと人間のかかわり
マングローブ植物の利用法 マングローブは身近な植物/工夫を凝らす構造材としての利用/普及するマングローブ炭/民間薬としてのマングローブ/染料そのほかとしての日本での利用方法 マングローブ林とエビ 多様な動植物が生息するマングローブ生態系/豊かな資源に依存する住民の生活/エビの乱獲による資源の枯渇/マングローブ湿地が養殖池に/日本のマングローブ林と漁業 マングローブ林への人的圧力 変化する生活様式とマングローブの破壊/商品化される炭/減少が著しいタイのマングローブ林/錫採掘による破壊/防災林の役割を果たすマングローブ
第3章● 地球環境とマングローブ
地球環境を変える熱帯林の喪失 森林の種類と喪失の現状/生物種滅亡の危機/二酸化炭素の増加と温暖化の問題/砂漠化と熱帯林 マングローブが担う環境への役割 熱帯林のひとつであるマングローブ林/マングローブ林減少の実態/マングローブ林を学び、地球環境を守る
第4章● 未来へ残そうマングローブ
マングローブを守る 海と川の恵みが流れ込む河口域/保護管理される先進国のマングローブ域/注目されるアグロフォレストによる土地利用/日本のマングローブ分布/観光やエコ・ツアーへの課題マングローブ植林法 研究が進む人工更新法/自然の回復力に手を貸す保育作業/植林計画は目的を明確に/ボランティア団体の植林の問題点 マングローブ植林の実態
第5章● 世界のマングローブ図鑑



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