スハルト「帝国」の崩壊

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吉村文成
定価 2000円+税
46判 / 208頁 / 1999年初版
ISBN4-8396-0130-5 C0030 Y2000E

1998年5月、32年間続いたスハルト体制が崩壊し、インドネシアはついに変革の時を迎えました。本書は、朝日新聞ジャカルタ支局長として、その間のインドネシアの動きを克明に伝え、鋭い分析でインドネシア・ウォッチャーを唸らせた著者の書き下ろしです。
第1章「帝国」ではスハルト体制のパワーのからくりに、第2章「帝王」ではスハルトとスハルトファミリーの個人像に迫ります。そして第3章「政変」はスハルト退陣の息詰まるドキュメント。さらに付章「9.30事件を推理する」ではスハルトの犯罪とも言うべき1965年の9.30事件(共産党によるクーデター未遂)の衝撃的な事実が明らかになります。
32年間のスハルト体制を総括し、これからのインドネシアを考えるうえで、必読の書でしょう。

【目次】

一章 帝国
古典的統治/大量虐殺という出発点/差別による統治/
財閥と華人とプリブミ/「経済の七割を支配」のウソ
残存した「戦時日本」システム/外部からのインプット/南と北
二章 帝王
ブラックホール/うわさの王国/パンジット/経済官僚の反逆
外遊/「火の海」の予言/休養/予算パニック
腕組みのIMF専務理事/「治安対策」/IMFの誤算
三章 政変
退陣/崩壊の始まり/メダン暴動/トリサクティ大学の惨事
フランス・デモ/ジャカルタ暴動/プラボウォ中将/有終の美を!
大統領動く/帰国圧力/揺れる情勢/辞任を約束/学生、国会を占拠
プラボウォ中将の賭け
付章「九・三〇事件」 を推理する
◆「スハルト後」時代 をどう読むか

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