NGOの時代
- 平和・共生・自立 -

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日本国際ボランティアセンター(JVC)著
定価2200円+税
四六判 / 360頁 / 2000年初版
ISBN4-8396-0139-9C0030 Y2200E

カンボジア難民の救済を目的に、1980年にバンコクに誕生した日本のNGOの草分け「日本国際ボランティアセンター」が、設立20年を記念し、過去の歩みと21世紀にむけてのNGO活動のあり方を真摯に綴った書。
【以下、大野和興氏による紹介文】
国際協力のNGO(非政府組織)として日本国際ボランティアセンター(以下JVC)は、日本を代表するNGOの一つだろう。そのJVCが活動を開始して二十年がたった。本書はその二十年を記念して、JVCに集う人たちがアジアやアフリカの各地で何をめざしてどんな思いで活動しているのかを報告したのもである。
 全体は三部構成になっており、第一部は現地からの報告だ。ラオスの森から、東北タイの村から、ベトナムの少数民族の暮らしの中から、南アフリカから、エチオピアから、カンボジアから、パレスチナから・・・。地域に入り込み、人々と喜びや悲しみ、苦しみを希望を分かち合いながら村つくりや平和を守る活動に従事するNGOスタッフの生の姿が生々と伝わって来る。
 第二部はこうした現場での活動が総体として何をめざしているのかが、人々の暮らし、地域のあり方、環境を守るということ、平和構築といった視点、切り口で語られる。そして第三部では、こうした活動と志がどのように人と人、地域と地域を結び付けて、広がりを作り出してきたかが、述べられる。
 JVCの二十年は、二十世紀最後の二十年と重なり合う。それは、戦争と飢餓、さまざまの災害、世界中の人々を市場競争に巻き込んだグローバリゼーションという現象とそのもとでの貧しさの拡大と富の偏在の歴史でもある。そんな現実にNGOが何ができるかと問われても確たる答えがすぐ出てくるわけではないが、本書を読むことでその答えの一端くらいはつかまえることができるかもしれない。なにより、世の中、捨てたものでもない、という思わせるだけでも、一読の価値はある。

【目次】

第1部 現場から発信する
第2部 未来に向けて──JVCのめざすもの
第3部 これまでの20年、これからの30年

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