シルクロード・路上の900日

西安・ローマ1万2000キロを歩く

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大村一朗
定価 2500円+税
四六判 / 624頁 / 2004年初版
ISBN4-8396-0166-6 C0030 Y2500E
●書評●

●イラン便り(イラン留学中の著者からの便りです)

 ちょっと信じられないことですが、中国の西安からイタリアのローマまで、いにしえの「シルクロード」を完全に歩き通した若者がいます。まる2年半、1万3000キロ! 途中、バスにも列車にも乗らず、ただただ2本の足でテクテク歩き通したというのですから、驚異としか言いようがありません。そして、これがよほどゴツいタフな男かと思うと、ごく普通の華奢な青年なのです。なにしろ西安からローマまでですから、当然、道中にはいろんなことが起きます。中国、中央アジア、西アジア、そしてヨーロッパ。人も違えば、言葉も習慣も食べ物も違う。泣いたり、笑ったり、怒ったり、びびったり。これぞ究極の青春旅日記です。

【目次】

第1部 中国
■中国
黄土高原(西安―蘭州)
未開放区という辺境(蘭州―武威)
沙漠の道連れ(武威―張掖)
オアシス都邑をめぐる(張掖―嘉峪関)
砂の惑星に雨が降る(嘉峪関―安西/敦煌)
西域への扉(安西―ハミ)
国外退去(ハミ―ウルムチ)
雪原の逃亡者(ウルムチ―国境ホルゴス)

第2部 中央アジア
■カザフスタン
二重警戒区域(国境ホルゴス―タスカラス)
逃げる相棒(タスカラス―アルマータ)
■キルギスタン
別れの理由(アルマータ―サドボエ)
■カザフスタン
旅人の駅(サドボエ―ジャンブル)
草原の国からオアシスの国へ(ジャンブル―タシケント)
■ウズベキスタン
ウズベクの流儀(タシケント―サマルカンド)
街道のざわめき(サマルカンド―トルクメニスタン国境)
■トルクメニスタン
カラ・クム横断(国境―バイラム・アリ)
水を求めて(バイラム・アリ―アシハバード)
入国拒否(アシハバード―国境グドゥリオルム)

第3部 西アジア
■イラン
絶対安静(国境タンガリ―コルトゥクイ……テヘラン)
カスピ海のほとり(コルトゥクイ―アスターラ)
神が創った宗教(アスターラ―タブリーズ)
遠い夢の終わり(タブリーズ―国境バザルガン)
■トルコ
東部アナトリア高原(国境ギュルブラック―エルズルム)
分水嶺を越えて(エルズルム―トラブゾン)
屑を背負う少年(トラブゾン―サムスン)
イスラムへのいざない(サムスン―イスタンブール)
長すぎた滞在(イスタンブール)
「おはよう」という名の青年(イスタンブール―国境カプクレ)

第4部 ヨーロッパ
■ブルガリア
夏の原風景(国境カプクレ―国境友情橋)
■ルーマニア
素顔の裏道(友情橋―国境バルシャンド)
■ハンガリー
モスクワ広場の異邦人たち(国境バルシャンド―ブダペスト)
沈黙の平原(ブダペスト―国境レディッチュ)
■スロベニア
イタリア前夜(国境レディッチュ―国境ノバ・ゴーリカ)
■イタリア
ベネチアの特等席(国境カーサ・ロッサ―ベネチア)
二都探訪(ベネチア―フィレンツェ)
最後の広場で(フィレンツェ―ローマ)


【著者はこんな人】
大村一朗(おおむら・いちろう)
1994年、大学卒業と共にシルクロード徒歩横断の旅に出発。
中国の西安を発ち、1996年イタリアのローマに到着。
2004年よりフリーのジャーナリストとしてイランの首都テヘランに在住。
2006年からはイラン国営放送ラジオ日本語課に勤務。
2009年以降のイラン騒乱では、ほぼすべてのデモに足を運び、イラン情勢を伝えている。2012年3月帰国。
アジアプレス所属。

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