【書評再録】

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◎じゃかるた新聞 2007年10月掲載

おいしいインドネシア料理
榎本直子・村上百合著

カラー写真とレシピが魅力、初の体系的な料理本を出版。

 インドネシア料理家の榎本直子さんがこのほど、1992年から東京で開いているインドネシア料理教室で蓄えた知識と経験を生かして、初の体系的なインドネシア料理本「おいしいインドネシア料理−家庭で作る本格レシピ50選」(めこん社)をライターの村上百合さんと共著で出版した。
 インドネシア料理の魅力として、二人は広大な群島国家の多彩で豊かな文化を反映した「多様な味」を挙げている。榎本さんが開いている料理教室「スレラ・クラブ」に村上さんが取材に行き、「現地の味・雰囲気をそのまま再現したインドネシアの味」に感激したのをきっかけに出版を持ちかけたという。村上さんは「食べただけでインドネシアの風がぱっと吹いた」と当時の感動を振り返る。
 インドネシア料理の基礎知識に始まり、主食、肉、魚介類、野菜、麺、スープと定番の味、スマトラ、ジャワ、スラウェシ、バリ、カリマンタン、マルク、パプアなど地方料理を紹介。
 インドネシア料理の初心者にも配慮して、日本でも特有の食材がそろうアジア雑貨店や料理用語集、香辛料の下ごしらえ方法、石臼の購入・使用方法と料理の手順を丁寧に解説。後半部分で「家庭で作るレシピ50」を掲載している。
 1986年、バリ島を初訪問してインドネシア料理に魅せられた榎本さんは、自宅で育成したり、ネット購入するなど工夫してハーブやスパイスを含む香辛料や野菜など必要な食材を出来るだけ確保とすると味が一層引き立つと教えてくれた。
 榎本さんは、料理教室を始めた際に、インドネシア料理に関する適当な書物が出版されておらず、それなら自ら出版しようと出版の構想を長年温めてきたという。「知名度の低いインドネシア料理の美味しさをもっと多くの人に知ってもらいたい」と語った。
 学生時代にバリ島を中心にインドネシアに通っていた村上さんも「自分が読みたかった本」を作りたいとスマトラ島やジャワ島に榎本さんと取材で足を運んだ。「日本に帰国したらインドネシアの味が懐かしくなるが、よく考えると作り方はわからない。そんな元駐在員の方にも手に取ってほしい」と語る。
 二人は掲載したレシピは「全部美味しい」と勧めるが、榎本さんは鶏肉と鶏モツのペペス(ペペス・アヤム)、魚のペスモール・ソース煮(ペスモール・イカン)、村上さんはタマリンド入り野菜スープ(サユール・アッサム)を個人的にも思い入れのある一品として一押しする。

評者:星野桂一郎

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