【書評再録】
◎清流、6月号掲載

夫婦で暮らしたラオス
菊地良一・菊地晶子著

 2000年から2年間、農業普及番組の制作指導のためにラオスで暮らしたテレビ・ディレクターとその妻が綴った生活体験記である。 国民1人当たりのGDPが日本の100分の1といわれるラオスだが、高度成長以前の日本を思わせる素朴で人情味あふれる人々の暮らしに2人は魅せられる。甘味と酸味のきいた料理、市場でのおあばさんとの気さくな語らい、子供たちが水浴びをするメコン川の夕景などが豊富な写真とともに紹介される。新年に親族が集まって開かれる、幸福を祈願する儀式「バーシー」や、雨季の終わりに寺院で行なわれる灯籠流しなど、独特の習俗も興味深い。 悠久のの時間の流れにみを委ねている人々を慈しむ夫婦の眼差しは、同時に効率とスピードを追求する日本への問題提起ともなっている。

◎クロスロード、5月号掲載

夫婦で暮らしたラオス
菊地良一・菊地晶子著

 ラオスの首都ビエンチャンで農業普及テレビ番組の制作指導に当たっていた2年間の体験をまとめた1冊。日本人が忘れてしまっている「スローライフ」。人情あふれる素朴な生活とゆったり流れる時間がラオスにはある。忙しい日常から一時離脱し、本書の与えてくれる「スローライフ」を味わいたい。

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