香料諸島綺談
鮫や鰹や小鰯たちの海
シリーズ・アジアの現代文学L

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Y.B.マングンウイジャヤ / 舟知恵訳
定価 2000円+税
四六判 / 298頁 / 96年初版
ISBN4-8396-0096-1 C0397 Y2000E
●書評●

16世紀のマルク(モルッカ)諸島を舞台とする歴史綺談。副題の「鮫」とは香料貿易の利権を狙って魔の手を伸ばすオランダ・スペイン・イギリス。「鰹」とはテルナテ、ティドレ、ハルマヘラなどのイスラム土侯国の王たち。「小鰯」とは鮫や鰹の殺し合いの中で右往左往する漁民たちです。悪行非道の総督、武勇に優れた若き親王、船大工、絶世の美女たち。大きな歴史のうねりの中で、この魅力的な登場人物たちが愛に生き、義に死んでいくのです。10年の歳月を費やした名訳。インドネシア文化の底力を感じさせる一冊です。

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