韓国で働く

シリーズ・海外へ飛び出すC

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笹部佳子著
定価1500円+税
四六判/272頁 /2004年初版
ISBN4-8396-0169-0 C0030 Y1500E

●書評●

 「海外へとび出す」シリーズ4作目はお隣の国、韓国です。「インタビュー」では韓国社会で活躍する日本人たち17人が登場。定年後の人生を賭けた放送人、がんと闘う女性企業家、韓国のロックにしびれるミュージシャン、韓国で一番有名な名物大学教授などなど、韓国社会で奮闘する彼らの姿はまぶしいくらい羨ましい…。「インフォメーション」では、ビザの取得、韓国語を学ぶための情報、仕事探しなど働くための情報、家探しや運転免許の取得、銀行口座の開き方など、生活のためのノウハウを詳しく載せました(目次をご参照ください)。
 著者は元NHKアナウンサー。韓国に魅せられ留学し、現在は、韓国語を学びながらフリーのアナウンサー、ライターとして活躍中です。
 旅行だけでは飽き足らない方必読の本です。


【目次】

●まえがき―――不思議の国 韓国  愛すべきケンチャナヨ
●インタビュー
☆多田朝子 特許事務所勤務 韓国の五本の指に入る特許事務所に勤務。地に足をつけてしっかりと生活するOL。
★水野教授 大学教授 名物大学教授。TV,CM多方面で活躍。韓国で一番有名な日本人。
☆山岸ゆか ディレクター 日本でフリーのディレクターとして活躍。単身韓国へ渡り制作会社に勤務
★うらかわひろこ エステ経営 韓国にわたり10年。エステを中心とする会社を経営する女社長
☆二日市壮 KBS日本語放送校閲委員 元NHK記者。韓国人にさせられ輝く第4の人生を送っている
★塚越智恵美 旅行会社 韓国人旅行者を日本へ案内。元航空会社勤務のキャリアを生かし、韓国で活躍
☆佐藤ゆきえ ロックバンドミュージシャン 韓国の音楽に見せられ訪韓。
★木村のりこ 演劇コーディネーター 劇団「木花」所属。演劇専門のキーディネーターとして活躍。
☆青柳はるこ 会社員 外語大で韓国語を専攻。その後韓国で就職。携帯電話のコンテンツ製作会社に勤務。
★船野賢子 日本語講師 国際ヴォランティアから韓国に見せられ,日本語の講師を目指した。
☆古賀坂みゆき コピーライター 100円ショップに勤務。キャッチコピーを担当
★深野正一 専門調査員 日本大使館の広報文化委員を務める。サラリーマンからの転身。韓国人の妻もいて、日韓の文化交流を実践。
☆照屋勉 カマメラマン 韓国のTV界に乗り込み、プロダクションを作った。
★平井恵三 陶器屋 ソウル在住◎◎年。明洞地下街で陶磁器店を営む
☆高橋和也 美容院経営 2年越しの計画の末。近々美容院をオープン
★長谷部則彦 経営コンサルタント ソウルで日本人経営のうどん屋をはじめたパイオニア。レストラン立ち上げに欠かせない人。
☆川口禮子 レストラン女将 第二の人生を韓国で。ホテルの支配人から日本料理店の女将に。

あとがき………雨音は「パジョン」のしらべ

●インフォメーション
旅立つ前に @日本からの荷造り A入国の際のビザ
日常生活 @韓国の物価は本当に安いか? C韓国人の給料は? D一ヶ月の生活費は?
住まい @月貰(ウォルセ)と伝貰(チョンセ)
仕事を探す @仕事の見つけ方 A現地採用の労働条件 B韓国で働く先輩からの率直なアドバイス
ビザ @ビザ A外国人登録 B出国と再入国
交通・運転免許 @国際免許に免許を書き換える A韓国の免許に書き換える B現地で取得する
銀行 @口座を開く A日本から韓国への送金
電話とインターネット
健康管理 @韓国で気をつける病気 A病院
韓国語・経済・ソウル市内のホテルリスト・関係機関リスト

【まえがき】より

不思議の国 韓国
愛すべきケンチャナヨ
韓国で生活をしていると「ケンチャナヨ」という言葉を嫌になるほど耳にする。実際、韓国人を理解する上で、最も重要な言葉は「ケンチャナヨ」かもしれない。

 「遅刻してすみません」と誤ると「ケンチャナヨ」
 「明日のテスト上手くいくかしら?」と聞けば「ケンチャナヨ」
 「この書類、明日までに間に合わないんじゃないですか?」と指摘をすれば「ケンチャナヨ」
 「あの彼どう?」と冷やかすと「ケンチャナヨ」
「どこか体の具合でも悪いの?」と声を掛けると「ケンチャナヨ」
「トイレのドアが閉まらないんですが」と管理人に訴えると「一人暮らしじゃないかケンチャナ」

この「ケンチャナヨ」は一見頼もしそうに見えるが、韓国で生活する外国人には実に厄介で理解に苦しむ言葉でもある。なぜなら「ケンチャナヨ=大丈夫」という意味とは裏腹に大半が「UNケンチャナヨ」なケースで、韓国人の「ケンチャナヨ」を信じたばかりに痛い目にあったという外国人は少なくないからだ。もちろん外国人の中には何でも「ケンチャナヨ」が通用するおおらかさが好きだと言う人もいるが、他人に対して寛大な社会は、自己の甘えをも生み出し、『懐の広い人』であることを強要され、遅刻、ドタキャン当たり前の傍若無人な振る舞いさえも容認せざるを得ない結果を招く。そのためか韓国人はすっかり信用を失い「いい加減だ」「約束を守らない」「うそつきだ」などと言われ「ケンチャナヨ」はルーズな国民性を揶揄する代名詞として定着してしまった。
私が韓国に住み始めたのは3年前。当時、韓国語はもちろん、韓国のことは何一つ知らなかった。

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