タイの染織

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スーザン・コンウェイ著、酒井豊子/放送大学生活文化研究会・訳
定価5700円+税
A4変形版・並製・198ページ・オールカラー
ISBN978-4-8396-0207-9 C1070
●書評


 タイ各地の織物、機織の現場、歴史的史料としての壁画等のカラー写真をふんだんに使ったタイ染織の総合的な研究書です。著者はイギリスの著名な画家であり、東南アジア美術の研究者。1982年にBritish Museum Pressから出版された本書はタイ染織を初めて包括的に紹介した書として高い評価を受けています。翻訳に携わったのは日本の染織研究の専門家で、豊富な専門的知識に基づいて丁寧な註と補遺をつけました。数年にわたってタイ各地で撮影したすばらしい織物の写真はタイの深い魅力をあらためて感じさせてくれます。

【訳者紹介】
酒井豊子(さかいとよこ)
1932年生まれ(東京都)
1955年 お茶の水女子大学家政学部被服学科卒業
1958年 東京工業大学大学院理工学研究科修士課程繊維工学専攻修了
1958〜1961年 実践女子大学助手
1961〜1989年 東京都立立川短期大学講師、助教授、教授
1989〜2004年 放送大学教授
現在 工学博士
   東京都立立川短期大学名誉教授
   放送大学名誉教授
著書 『被服材料学』(実教出版、1975)
   『被服科学実験』(共著、三共出版、1982)
   『衣生活の科学』(編著、放送大学教育振興会、1991)
   『ファッションと生活』(共編著、放送大学教育振興会、1996)
   『着ごこちの追究』(共編著、放送大学教育振興会、1999)
   『共生の時代を生きる』(共編著、放送大学教育振興会、2000)
   『生活財機能論』(共編著、放送大学教育振興会、2002)

【目次】
序章 タイの人々、その歴史と文化
ジャワおよびスマトラとの結びつき
クメールの影響
タイ族の広がり
ラーンナー王国、タイ北部
イサーン地方、タイ東北部
ラーンナー、イサーン、アユタヤ間の文化的交流
アユタヤ王国
バンコクの王宮
稲作の周期

第2章 織物、宗教と社会
求婚と婚約
結婚
誕生
見習い僧と僧侶
仏教の行事
聖なる色の慣習
護身の織物
魔除けの儀式


第3章 絹と木綿の生産
木綿

染料と媒染剤
マットミー
布の仕上げ
市販の染料

第4章 織機と機織技術
織機と付属品
経糸と緯糸の準備
織模様

第5章 タイの衣裳
第6章 儀式用および家庭用織物
僧侶たちのための織物
寺の幟
精霊信仰者の織物
日常生活用の織物

第7章 タイ北部の織物
ラーンナー、ケントゥン、西双版納(シーサンパンナー)
ナーン県

第8章 タイ東北部の織物

第9章 タイ中部および南部の織物

終章

訳者補遺
1.織機およびその機能について
2. 絹について
3. 木綿について

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