人間と二つの蛇── 一つはあのヘビ、もう一つは人間を呑みこんでしまう「寺」というヘビ── のすさまじい闘いを描いた、まさに異色作。仏教王国タイでこのような、僧侶批判、寺批判の物語を書いた著者の勇気には敬服させられます。『タイ仏教入門』とあわせて読めば、タイ仏教の構造と現実がかなり見えてきます。