現代タイ動向

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日本タイ協会編
定価2500円+税
A5判並製・420ページ
ISBN978-4-8396-0219-2

【関連書】タイのこころ 変容する東南アジア社会 新版・入門東南アジア研究
ゴーゴーバーの経営人類学 バンコクバス物語 タイ鉄道旅行 やすらぎのタイ食卓
 バンコクの好奇心 タイの花鳥風月

タイで何が起きているのか。最新の情報と分析

【編者】
日本タイ協会編


【執筆者】

赤木攻(あかぎ おさむ)東京外国語大学特任教授・大阪外国語大学名誉教授
大泉啓一郎(おおいずみ けいいちろう)日本総合研究所調査部環太平洋戦略研究センター主任研究員
大野浩(おおの ひろし)財団法人日本タイ協会常任理事・事務局長
小野健一(おの けんいち)タイコムランゲージセンター
柿崎一郎(かきざき いちろう)横浜市立大学国際総合科学部准教授
加藤和英(かとう かずひで)九州国際大学国際関係学部国際関係学科教授
斉藤親載(さいとう ちかのり)株式会社荒井製作所監査役・元タイ矢崎コーポレーション社長
高橋由典(たかはし よしのり)成友商事株式会社代表取締役社長
玉田芳史(たまだ よしふみ)京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科教授
長尾久嗣(ながお ひさつぐ)日本経済新聞社編集局国際部
東茂樹(ひがし しげき)西南学院大学経済学部国際経済学科教授
福田升(ふくだ みのる)三井石油開発株式会社バンコク事務所長
村嶋英治(むらしま えいじ)早稲田大学大学院アジア太平洋研究科教授
吉田千之輔(よしだ せんのすけ)財団法人日本タイ協会理事長

【目次】

まえがき・・・・赤木攻

〔政治〕
表・タイの政治情勢をめぐる主な動き(2006年〜2008年)
第1章  9.19クーデタ
  1.これからどうなるタイの政治・・・玉田芳史
  2.タイ政変とその余波、現場からの報告・・・長尾久嗣
  3.現地レポート:9.19クーデタ・・・村嶋英治
第2章  タイ政治とタックシン現象
  1.タイのクーデタ:経済発展と民主化の時差・・・赤木攻
  2.タックシン現象:ポピュリズム・・・赤木攻
  3.「9.19クーデタ」が示したタイ政治社会の問題点・・・赤木攻
  4.現地レポート:タックシン勢力の排除・・・村嶋英治
第3章  暫定憲法と新憲法の制定
  1.タイの憲法の特質・・・赤木攻
  2.新憲法草案の確定と今後の展望・・・柿崎一郎
  3.物暦2550年(西暦2007年)タイ王国憲法について・・・加藤和英
第4章  国民投票、総選挙、親タックシン政権
  1.現地レポート:国民投票後のタイ・・・柿崎一郎
  2.総選挙と連立政権成立・・・村嶋英治
  3.総選挙後のタイの政治社会:「王権」をめぐって・・・赤木攻
  4.第1次サマック内閣主要閣僚プロファイル・・・大野浩
  5.かかあ天下?ソムチャーイ政権・・・赤木攻

〔経済・社会・文化〕
第5章  豊かになったタイ
  1.タイ社会の変容・・・斎藤親載
  2.タイの経済政策と2006年9月のクーデタ・・・東茂樹
  3.バンコクの都市鉄道・・・柿崎一郎
  4.タイのエネルギー事情・・・福田升
第6章  変わったタイと変わらぬタイ
  1.タイの日本観は変わったか・・・村嶋英治
  2.タイで進む少子高齢化・・・大泉啓一郎
  3.タイにおけるロングステイ日本人・・・高橋由典
  4.新しいタイ史の提唱・・・赤木攻
  5.「タイの歴史」の諸問題・・・柿崎一郎

仏暦2549年タイ王国憲法(暫定版)・・・(訳)小野健一/(監修)赤木攻
仏暦2550年タイ王国憲法・・・(仮訳)加藤和英
あとがき・・・吉田千之輔
初出一覧


      タイの情勢がめまぐるしく変化しています。圧倒的な人気で政権の座についたタックシン首相が軍のクーデタで失脚、と思ったら、総選挙ではそのタックシンを支持する党が勝って連立政権ができた、と思ったら、反タックシン運動が盛り上がって、ついに空港占拠、と思ったら・・・と、もう訳がわからない。タックシンっていったいどんな人なの? どうしてそんなに評価が割れるの? 王様はどう思っていらっしゃるの? これからいったいどうなっていくの……多くの日本人が呆然と状況を眺めているところに、タイミングよく登場したのが本書です。
この本は、タイ研究者、在タイ日本企業、ジャーナリストなどで構成されている財団法人「日本タイ協会」の機関誌『タイ情報』記載の論文と、変動の節目節目で開催された講演会の記録を編集したものです。いずれも、現場からのリアルタイムの報告であるというのが最大のポイントで、これにタイ研究の専門家が丁寧に分析を加えているので、「なぜこうなったのか」ということがとてもよく理解できます。
政治以外の、経済・社会・文化の分野におけるタイの変化についても興味深い観点からの分析が加えられており、さらに新憲法の全訳も収められています。タイがどうしてこうなったのか、今タイはどこへ向かおうとしているのか、ということをじっくり考える上で重要な示唆を得ることができるでしょう。

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