船頭タリニ
タラションコル・ボンドパッダエ 著
大西正幸 訳

定価2500円+税
四六判・上製・306ページ
ISBN978-4-8396-0292-5 C0397
2016年1月初版
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西ベンガルの圧倒的な自然のもと、ヒンドゥーの厳しい戒律と因習に翻弄されながら必死に生きる人々。これぞ、ベンガル文学の真髄という短篇7編をおさめました。
【著者】タラションコル・ボンドパッダエ
タラションコル・ボンドパッダエはインド西ベンガル州のビルブム県出身の作家。ラビンドラナート・タゴール(1861-1941) 後のベンガル語近現代文学史において、最もすぐれた作品を生み出した作家の一人に数えられる。生涯を通して200篇近い短編と60篇を越える中長編小説を書いている。それに加え、詩、戯曲、紀行文、批評文、自伝的文章などの作品がある。
タラションコルは、何よりもビルブムの土に根ざす作家であり、生涯にわたってビルブムの自然・人・社会を描くことにこだわり続けた。この点が、それ以前の、おもにコルカタに拠点をおいた知識人によって育まれてきたベンガルの近代文学と彼の文学を分かつ、大きな相違点である。
本格的な文学活動を始める前の10年あまり、タラションコルは、故郷の村ラブプルを拠点に、父から受け継いだ土地の管理に携わるいっぽう、民族主義運動の活動家として、また旱魃やコレラに苦しむ人びとに奉仕する農村活動家として、ビルブムの農村地帯を廻り最下層の人びとともに過ごした。初期の短編群では、こうした体験に研ぎすまされた彼の目を通して、多様な階層の人びとの人物像や生活の姿が至近距離から鋭い輪郭をもって描かれている。中後期になるに従い、彼は、この社会に生きる人びとの姿を、大きな書き割りと歴史的なパースペクティブの中に位置づけ、より成熟した筆致で描くようになるが、初期の短篇に見られる独特の鋭さ・生々しさは次第に薄れていく。本書では、この初期の名作7点をおさめた。西ベンガルの自然が素晴らしい。
【訳者】
大西正幸(おおにし まさゆき)
東京大学文学部(英語英米文学科)卒。オーストラリア国立大学にてPhD (言語学)取得。専門は、北東インド・沖縄・ブーゲンビル(パプアニューギニア)の危機言語の記録・記述と、ベンガルの近現代文学・口承文化。
1976~80 年、インド(カルカッタとシャンティニケトン)で、ベンガル語文学・口承文化、インド音楽を学ぶ。その後も、ベンガル語文学の翻訳と口承文化の記録に携わっている。
ベンガル語文学の翻訳は、タゴール『家と世界』(レグルス文庫)、タラションコル・ボンドパッダエ『船頭タリニ』(めこん)、タゴール『少年時代』(めこん)、『タゴール 10の物語』(めこん)、『タゴール 愛の物語』(めこん)など。現在、めこんのHPに、近現代短編小説の翻訳を連載中。
【目次】
船頭タリニ
郵便配達夫
やぶにらみ(タラ)
供養バラモン
ラカル・バルッジェ
ラエ家
花輪と白檀
